アーケードゲーム博物館計画ってなに?
みなさんは、売り上げの上がらないゲームセンターのゲーム機はどうなってしまうかご存知ですか?
みなさんが遊んだことのあるゲームセンターに設置されているゲーム機。
これらは私たちが100円玉(お金)を入れてその対価として遊びを受け取るわけです。
それでは、これらのゲーム機の売り上げが上がらなくなった。つまり人気の無くなったアーケードゲームの行く末はご存知でしょうか?
ゲームセンターのゲーム機は利益が上がらなくなると、中古業者に売却され、地方を転々とするか、海外に輸出されるか…そして最後は産業廃棄物として廃棄処分されてしまうのです。
つまり、昔、遊んだゲーム機は、もしかすると、もう、この地球上には残っていない・・・そういう可能性も有るのです。
アーケードゲーム博物館計画のきっかけ。
私たちがゲームセンターで遊んだゲームが二度と遊べなくなってしまう!
そんな危機感を少なからず抱き始めたのがきっかけで、ゲーム基板や大型筐体の購入を始め、年月を重ねるにつれてだんだんと台数が増えていきました。
台数が集まると「保管だけではもったいない。やはりゲームは遊んでこそゲーム」という考えもあったことから「収集したゲーム機器をなんとか実際に遊べる場を設けられないものか?」
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こうして1999年にアーケードゲーム博物館計画が本格的にスタートしました。
元々はゲーム基板コレクターやゲーム筐体を買ってはみたものの置き場に困ったなど、アーケードゲームが好きで購入まで至ってしまった有志による団体です。
ゲームは遊ばれてナンボのもの。
見るだけではそのゲームの中身はわからないし、80年代後半から90年代初頭にかけて稼動していた体感ゲームなどは実際に「体感」してみなければその面白さの全てを伝えることはできません。
当計画は展示だけでなく「実際にゲームで遊べる場」としての博物館施設の設立を目指しております。
アーケードゲーム博物館計画の理念と活動 1
現状では機械の購入や修理修復など、メンテナンスの費用は全て個人の持ち出しによって活動しているため、なかなか計画は進みません。また、有志による団体のため全機種を集めようと言う無理無謀を行うこともできません。
そこで当計画では「1人1台筐体所有者があれば100人で100台保存ができる」という理念で活動しております。
全部が全部、当計画で蒐集することは、よほどの資金力と保管できる場所がなければ無理なことは承知です。
今、存在しているゲームがゲームセンターにあればそのゲームで遊ぶべく出向きお金を入れて遊んでくる。(売上が上がれば少なくとも撤去までの時間が延びると考えるからです)
設置されているその場で稼動していればそれは保存活動につながるだろう、と言う考えを念頭においております。
もし万が一、その機械が壊れて廃棄されてしまうような事態になった場合当計画で保存できるか、そういう受け皿として機能しよう。そういうスタンスで活動しております。
まず第一にゲームの所在を明らかに。
過去のゲーム機は売り上げが上がらなければ廃棄される運命にあります。
この世の中からなくなる前に、わずかな情報も漏らさずに集めておかないと、
「あそこにあったのに」という後の祭りになることが多々あります。
そこで、まず全国のゲームファンの方々の御協力を募りまして
アーケードゲーム所在地リストをネットワーク上で構築できればと考えております。
インターネット上で散見しているレトロゲーム情報や所在地リストなども大まかな情報こそあれなかなかまとまった情報サイト見受けられません。有名、無名、稼動している、壊れている、を問わずどんな機械でも「ここにある」という情報を集めデータベース化することで残っているアーケードゲームの情報を把握し、プレイヤーに向けて展開できればいいと考えています。
もちろんゲーム機オペレーター様、ディストリビューター様、「ウチには**がある。」など情報をいただければ幸いです。個人様からのゲームセンターに**が有った等の情報もありがたいです。
また、業者様、コレクターの方、会社、ご家庭の事情で万が一保管場所に困った事態が起きた場合は当計画の倉庫に共同保管するという計画も検討しております。
(個人様所有機の場合を含め、情報の取り扱いは熟慮します。)
将来的な構想 2
現在「開放」と呼ばれる、当計画で実際に所有しているゲームを遊んでもらう機会を平均月1回のペースで行っておりますが、将来的にはどこかに常設できる場を展開したいと考えています。(昨年の第一期展開ではゲームセンター隣接スペースでの展示開放を行いました。)
将来的にはアーケードゲームを知る上でのエポックメイキング的な機器から80年代、不良の溜まり場、世間悪と呼ばれた当時のゲームセンターを再現したりなど構想を練っております。
これからのゲームクリエイターを目指す人たちに向けて。
現在。ゲーム開発に携わる人たちの中には「ゲームに感動して業界に入った」と言う人も少なくないでしょう。
しかし、「ビデオゲームの原点」と呼ばれるアーケードゲームを作ってきた開発者やクリエイターの方々は「ゲームに感動して」ゲームを作ったわけではありません。
そのアーケードゲームを作る上で、アナログな遊びからデジタル化(ゲーム化)したものもあるでしょうし、その他影響された作品、アイデアなど何を取り入れ、何を取り除いてアーケードゲームを作り上げたのか…。
エミュレータでの再現でなく、筐体を用いて実際にそのゲームを遊んでもらえる「場」と「空気(雰囲気)」を提供することで、当時の時代背景を含めてアーケードゲームを「体感」してもらい、アーケードゲームが如何に広がっていったか、そして家庭用ハードやソフトにフィードバックされたかそんな歴史的展示や体験できる場へと展開できればとも考えております。
甚だ些末ではございますが、このような考えを元にアーケードゲーム博物館計画は活動しております。
何卒よろしくお願いいたします。
有志団体アーケードゲーム博物館計画 一同